最近、損害保険会社から支払われる保険金を活用して屋根の修理をおこなう人が増えています。
背景には温暖化の影響で屋根を吹き飛ばすほどの被災(風災)が増えていることもあります。
住宅購入時に加入する「火災保険」が契約期間内であれば、保険を使い無料で屋根の修理ができるケースもあります。
火災保険は「火」のイメージが強いですが実は多くの火災保険では「風」による風災被害の補償もセットになっていることが多いです。
何より損害保険会社への保険申請は、あなたが思っているよりずっと簡単です。
ここでは火災保険を申請するための手続きと注意点を中心に解説します。
訪問販売の事例 火災保険を使った営業手法
「屋根が壊れていますが火災保険を使って無料で修理しますよ」と、業者や職人から言われたことありませんか?
●棟板金が外れている 屋根にのぼりたい 契約をとりたい
→ 故意に壊して 自作自演で火災保険の請求
「屋根が外れています…」といった、難癖をつけてきたり
「無料で工事できますよ、保険を使えば」と持ちかけてきたり
保険に入らせて数ヶ月寝かせておくといったやり口で近づいてきます
目次
1. とてもカンタン!火災保険の申請
火災保険の申請は、とってもカンタン。
自宅の屋根が台風の影響で風災被害に遭った場合、火災保険の対象となり、
保険会社からは屋根の修理費用が保険金として自身の銀行口座に支払われます。
手続きもストレスもなく行えます。
実際、もうひとつの代表的な損害保険である自動車保険の申請と比較しても、
火災保険の申請は遥かに簡単です。
その理由は、火災保険の場合、被害者と加害者の関係が成立しないためです。
被害者が保険金を申請し、保険会社がそれを支払うという極めてシンプルな仕組みが成り立っています。
正しい方法で申請手続きを行えば、修理費用の希望額に近い金額が迅速に保険会社から支払われます。
保険金の受け取りに関して不安を感じることなく、迅速かつ円滑に修理プロセスを進めることができます。
お住まいの安全と快適さを守るために、火災保険の活用を検討してみることをおすすめします。
2. 保険申請に必要な書類は3枚だけ
保険の申請に必要な書類は以下の3点です。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 被災個所の写真
この中で「修理見積書」と「被災箇所の写真」は屋根修理会社が用意します。
保険金請求書
日付や名前、住所、振込先などを記入する書類。
とても簡単に書き込めます。
「保険金請求書」の他に「事故状況説明書」を求められる場合もあります。
「事故状況説明書」は屋根のどの部分を被災したかを示す書類です。
屋根の形状を手書きで「被災した箇所」を矢印で書きます。
3. スグに確実に保険金を受け取りたい
被災が分かったらすぐに資料請求
災害が発生したら、まず保険会社(または代理店)に連絡し、保険申請に必要な資料をすぐに請求しましょう。
屋根修理業者を探す前に、資料請求を行うことが重要です。災害時は多くの人々が保険会社に問い合わせるため、保険請求に必要な資料が遅れる可能性があります。資料が届くまでには最大3週間かかることも考えられます。
屋根修理業者に来てもらったり、見積書や写真を手に入れた後に保険会社に相談すると、時間のロスが生じることになります。
申請は自分で行う
保険の申請は業者に頼らず、自身で行うようにしましょう。
インターネット上には「プロでなければ保険金を受け取れない」といった誤った情報が流れていることもありますが、事実ではありません。
被災状況が写真からでも明らかであるか、過度な金額の請求でなければ、保険会社から保険金が迅速に支払われる仕組みです。
屋根専門の工事会社に相談
見積書の作成依頼は、できる限り「屋根専門の工事会社」にお願いしましょう。
なぜなら、屋根工事会社が提供する見積もりが一般的に適正価格であることが多いからです。
保険会社への請求金額が市場価格に近い場合、保険会社の対応は迅速です。
適正な価格と適切な見積もり内容であれば、保険会社は現地調査をせずに保険金を支払うことが多いです。
一方、過度な金額を請求すると支払いが遅れるだけでなく、支払いが拒否される可能性もあります。
また、経年劣化は支払いが拒否されます。
保険鑑定会社による調査
保険会社が申請を受け付ける際、「写真から被災が認められない」「過度な金額の請求である」と判断された場合、保険鑑定会社による調査が行われることがあります。
ヒアリングだけで済む場合もありますが、被災状況と見積書を比較するために現地調査が必要な場合もあります。
保険鑑定会社の人員には限りがあるため、大規模な災害後は調査に時間がかかる可能性があります。
申請書類に疑問が残る場合は、支払いが拒否されることもあります。
保険金の受け取りと修理の重要性
保険金を受け取り無料で修理を行うことは重要ですが、屋根修理が適切でなければ意味がありません。
近年「申請業務のビジネス化」が進み、消費者と業者の間でトラブルが増加しています。
悪質な業者に相談し、保険金を受け取り工事契約を結んだ後、修理の質が低下することがある点に注意が必要です。
4. 火災保険の申請方法
具体的に火災保険の申請方法について詳しく解説します。
※損害保険会社や保険商品によって手続きに違いがある可能性がございます。
理想的な火災保険申請の流れ
保険会社への問い合わせと書類入手
まず、保険会社または保険代理店に連絡し、火災保険の申請に必要な書類を入手します。
被災内容を伝え、必要な書類を手に入れましょう。
保険鑑定を受ける(必要時)
必要に応じて、保険鑑定会社による調査を受けることがあります。
保険会社が被災状況や修理見積書を検証するための手続きです。
保険金の決定と入金
保険会社が被災状況や見積書を審査し、保険金の額を決定します。
その後、保険金が銀行口座に入金されます。
相見積と工事業者選定
保険金の受け取り後、改めて屋根修理業者を探します。
業者選定の基準
- 建設業の許可を持っているか
- 実績が豊富か
- アフターサービスがあるか
- 国土交通省が認めた住宅リフォーム事業者団体に登録している業者か
工事契約と工事開始
安心できる屋根修理業者を選んだら、工事契約を結び、工事を開始します。
工事完了と引き渡し
工事が完了したら、屋根修理が適切に行われたことを確認し、工事が引き渡されることを確認します。
火災保険の申請と実際の工事は切り分ける
工事業者を選定する際に、相見積を行うのは一般的な手続きです。
業者の中には火災保険の申請代行だけで収益を得る業者も存在し、
保険金額の10~55%の手数料を取る場合もあり、その分、家主の取り分が減ります。
また、保険申請と工事契約をセットで販売する業者も存在します。
工事契約を結ばなかった場合、高額な違約金を課すことで消費者に不安を抱かせ、工事契約を迫る場合もあります。
トラブルを避けるためにも、保険申請と実際の工事は別々に考えることが重要です。
業者の訪問と見積り作成にかかる費用はごくわずかです。
過度な請求を行う業者には注意が必要。保険申請と実際の工事は切り分けて考え、
適切な工事業者を選ぶためにも、相見積を活用することをオススメします。
5. 信頼できる業者を選ぶ方法
正しい屋根修理業者の見つけ方
屋根専門の修理業者は主に「板金工事業者」と「瓦葺工事業者」があります。
それぞれの職人は「板金工」と「瓦葺工」と呼ばれます。板金工は金属屋根の工事を、瓦葺工は瓦屋根の工事を得意としています。
但し、コロニアル(スレート)やアスファルトシングルなどの屋根材については、工事が比較的簡単なため、どちらの専門業者でも施工が可能です。
工事業者が外注に頼らないかどうかは、自社職人を抱えているか自社倉庫(資材置場)を有しているかどうかで判断できます。
倉庫を有している業者は、自社で屋根工事を行うことが多いです。
倉庫には屋根資材が保管されており、確かな技術を持つ業者の特徴です。
倉庫を保有することで、迅速かつ適切な対応が可能となります。
各組合のホームページから検索
近年、インターネット上での板金工事会社や瓦葺工事会社の検索が難しくなってきています。
火災保険に関する情報を探していると、多くの場合「業者紹介のマッチングサイト」や「火災保険申請代行会社」「塗装工事会社」「工務店」「ハウスメーカー」のウェブサイトにたどり着くことがあります。
しかし、これらのサイトの中には屋根修理の専門的な情報が不足している場合もあります。
心配なときは、国土交通省指定の住宅リフォーム事業者団体登録事業者の屋根と板金のまもるくんまでお問い合わせください。
問い合わせ先: 0120-087-492
6. さいごに
火災保険を利用した屋根修理は、家の価値を守り、安全な居住環境を確保するための大事な手段です。
この記事では、火災保険の申請方法や必要な手続き、正しい業者選びの方法などについて詳しく解説しました。
信頼できる業者との協力、正確な情報の提供、スムーズな手続きを通じて、屋根修理を効率よく行い、安心な暮らしを実現しましょう。